「おい、!さっさと起きやが・・・れ?」

乱暴にドアを開けたキッドは、部屋の予想外の様子にドアノブを左手に握り体半分部屋の中に踏み込んだ状態で固まった。
(なんだ、この惨劇は。)
が寝ているはずのハンモックの中には何もなく、枕がカバーと分離して散らばり、二枚与えていた毛布の片方は小さいクローゼットの上に跳んでいた。

(どうやったらあそこに飛ぶのか理解できねぇ・・・。)

とりあえず、ハンモックから落ちても寝汚いの事だ部屋の中にはいるだろうと当たりをつけて見渡すと、すぐに目的のものは見つかった。
まるでミノムシか何かのように毛布に包まり体を丸めている小さな姿が部屋の隅に見える。


「・・・寒くねぇのか馬鹿。」


昨晩は気温の下がる海域に入るから一緒に寝ろと迫ってきていたくせに、薄い布団一枚で幸せそうに間抜け面を晒して起きようとしないとは大したものだ。


「大人しくしてりゃ、可愛いのによ。」


するりと頬をなでると、気配に気が付いたのか「んん・・・。」と身をよじる様も幼子のようだ、が。


「おら、いい加減起きやがれこの馬鹿!」
「んん?・・・い、いひゃいいひゃい!」
「何時だと思ってやがる?」
「頬の肉がもげる、ってキッドくん・・・?!」


寝癖ではねてる髪もそのままにぼんやり見上げてくるをまた可愛いと思う自分が癪で、わざと乱暴に髪を掻き混ぜてから部屋を出る。


「もう、ちょっとくらい優しくしてよっ!女の子なんだから!!」
「危ねぇ・・・。危うくを調子に乗らせることだったぜ・・・。」

背後から聞こえた声を受けて呟いたキッドは、必要以上に顔を顰めて船長室に戻ったのだった。










蒼維さんより頂きました!