夢を見た。
に直接言ったら殺されそうな夢を見た。

夢の中ではとても可愛くて色っぽい声で俺を呼んで、目を潤ませていた。
俺は我慢のできないガキみたいに、いやいやと避けようとする顎を掴んで薄桃色をした彼女の唇に貪りついて、の吐息すら飲み込んで蹂躙した。
まるで、今を逃せば次はない、ていうような切羽詰った気持ちが俺を支配していて、の服に手をかけて乱暴に脱がせる。自分の肌に纏わり付く布も脱ぎ捨てて、ベッドに横たわる肢体に覆いかぶさった。
は当然のごとく抵抗してきた。俺は半分やけになって、邪魔な両手を一纏めにして彼女の服で縛り上げた。
すいつくような肌に手を這わせて無理矢理に快楽を引き出して、耳元で考えうる限りの卑猥な言葉を並べ立てて攻め立て、恥ずかしい言葉を強要する。
「はぁ、さすけ…っん、や、だ」
熱くて蕩けきっているそこに自分を捩じ込んで、下から聞こえてくる粘調な音に頭が痺れる。口では嫌だと言いながら、俺に突っ込まれて揺さぶられて、足を広げて喘ぐの姿にさらに煽られて、口の中が渇いた。

そこで目が覚めた。
覚醒して全てが夢だと悟った時の、あの心境はとてもじゃないが言葉に表すことは出来ない。
出来ることといえば、頭を抱えて悔いることと、主張している下半身をどうにかすることくらいだ。


「ひど…」


思わず自嘲してしまう。

なにがお利口さんなペットだ。笑わせる。を凌辱する夢まで見ておいて。

外が薄暗い。もうすぐ、ご主人様が起きてくるころだろう。
顔を両手で覆う。額が熱い。それとも手が冷たくなっているのだろうか。


(どーしようかね)


寝室から朝を知らせるアラームの音が聞こえてきた。暫く鳴って、音が止まる。
ご主人様起床。佐助が寝ているリビングまでやってくるまで、経験的にあと5分。


(いーち、にー、さーん…)


心の中でゆっくりと数を数える。
60まで数えたら、ペットに戻ろう。胸をひっかくこの劣情を、心の奥底に沈めて鍵をかける。
そして、俺を起こさないようにゆっくりと足音を忍ばせてやってくるに気付かないふりをして狸寝入りを続け、「佐助、朝ごはんだよ」というあの柔らかい声が聞こえてくるまで目を瞑っているのだ。

「おはよう」と言って俺の頭を撫でるあの手を享受するために。










(080105)